俺の側にずっといろ、生涯お前を守る

その時、真山さんが口を開いた。

「自分は車で過ごします、これからお嬢様が暮らす建物の外に待機しています、連絡はスマホでお願いしたいので、スマホの番号だけ教えて頂きたいのですがよろしいでしょうか」

「私はお嬢様ではありません、もう三十八になるんですから、まりえでお願いします、それとちゃんと恋人の女性には誤解がないように説明しておいてください」

「承知致しました、でも自分には恋人も家族もおりませんので、ご安心ください」

私はどうしても一人暮らしがしたかった、たとえボディーガード付きだとしても……

「ではお父様、私は明日引っ越し致します、ではお休みなさいませ」

「おい、明日って、どこに引っ越すんだ、業者は手配したのか」

「そんなに荷物はありません、真山さんにお手伝いして頂ければ、十分です」

「真山さん、では明日八時に迎えをお願いします」

「かしこまりました」

こうして私はやっと親元から離れることになった。

お父様を嫌いなわけでも、仲が悪いわけでもない。