俺の側にずっといろ、生涯お前を守る

私はこれからお見合いをしようとしている。

きっとお見合い相手の男性と結婚させられるのだろう。

私は真山さんが大好き、それなのにどうして真山さんと一緒にいられないの?

真山さんにこの場から連れ去ってもらいたいのに、そんなこと出来るわけがない。

そんな気持ちをよそに車はホテルに到着してしまった。

「行ってらっしゃいませ」

お見合いの相手は小出ホールディングスの取引先の息子さんだ。

離婚歴があり、年齢は四十五歳。響亘。響不動産の副社長である。

「二人で少しホテル内の庭園を歩きましょう」

「はい」

当たり前かもしれないが、私の足元も気にせず、先に歩いて行ってしまう。

真山さんなら「まりえさん、足元気をつけて、うっかり屋さんだから、心配で仕方ないですよ」と言われちゃう。

私は「うっかり屋さんって、ひどい、私だって転びたくて転んでいるわけじゃないわよ」と頬を膨らます。

真山さんは「そうですね、大丈夫です、いつも自分がまりえさんを守りますから」そう言って見つめ合う。