俺の側にずっといろ、生涯お前を守る

俺は、この生活がずっと続くと思っていた。

だから一生守っていくと思っていた。

それなのに、思いもよらぬ小出氏の考えにすっかり動揺してしまった。

俺はボディーガードだから、まりえさんの側で一生彼女を守って行くことが出来ない人間なんだと思い知らされた。

それから一週間、俺はまりえさんにつかず離れずの立場を守った。

そしてお見合いの日の前日、小出氏から俺のスマホに連絡が入った。

「真山くん、いつもすまんな、まりえを守ってくれて助かってるよ」

「とんでもございません、仕事ですから」

俺は自分のまりえさんへの溢れる感情を抑えて答えた。

「明日、見合いの日なんだが、まりえの美容室の予約をした、明日八時頃、道玄坂の美容室へ連れて行ってくれ、地図は真山くんのスマホに送っておいた」

「かしこまりました」

「それから、見合い会場のホテルにまりえを送ってくれ」

「了解致しました」

「その後なんだが、まりえをこっちに戻してくれないかな」

俺は狼狽えた。