戯れ、ランデブー。 【完】



唯くんとの関係が変わったのは夏休みが終わり新学期に入ってすぐ、誰もいない放課後の教室で、私から告白した。





「唯くんの事が好きですっ⋯」




グダグダと色々前置きしてやっとその言葉を発したのは喋り始めて暫く経ってからだった。


本当に緊張した、これまでの人生の中で断トツで緊張した。


この時から唯くんは女友達がたくさんいて仲が良いし、それにモヤモヤしたりしていたから振られてしまうんじゃないかって怖かった。

それにこの時から唯くんの中で沙弓ちゃんは特別なんだろうなって分かっていたから⋯唯くんに好きな人がいるならそれは沙弓ちゃんなんだろうなって思っていたから玉砕覚悟だった。




だけど唯くんならの返事は、




「じゃ、付き合う?」



想像していなかった言葉で、その言葉に舞い上がって「付き合う!」と言ってしまっけど今振り返れば、この時に「好き」と返してくれなかった事が私を苦しめてる。

舞い上がる前にちゃんと唯くんの気持ちを確認しておけば良かった。




信じているけれど、唯くんの気持ちがわからなくなる時がある。