それから私の行動は早かった。
唯くんの教室まで行き、傘のお礼がてら手作りクッキーなんかつくったりしちゃって。
「傘のお礼です⋯!」
「お、うまそー」
そう言ってクッキーを受け取ってくれた時の嬉しさは今でもよく覚えている。
「あの、風邪引きませんでしたか?私のせいで⋯すみません⋯」
「全然。暑くて濡れて帰りたい気分だったし」
「はあ⋯、?」
唯くんは傘を貸してくれたイメージから優しくて王子様みたいな人をイメージしていたけれど実際はそんなことはなく、思った事はハッキリ言うし自由だし変わったところもあったけど、唯くんのそんなところすら私は好きになっていた。



