唯くんを好きになったきっかけは雨だった。



高校入学してから数ヶ月経ったある日、その日はからっからに晴れていたのに下校途中に急に雨が降り出して、傘なんて持っていなかった私は近くのコンビニでビニール傘を買おうと走った。


だけど丁度私がコンビニに入ったタイミングで最後の一本が売り切れたらしく、濡れた私を見て最後の一本を買った人が私とすれ違う時に気まずそうに顔を逸らしたのを覚えている。