丁度今日は体育の授業がある。
運動神経なんてものがない私はいつもその時間が憂鬱で堪らなかったけど今日は違う。
「ご機嫌だね」
「当たり前、これつけてるんだもん。やる気だってありまくりよ」
「唯くんパワーは侮れないわ」
更衣室でジャージに着替えながらエリーとそんな会話をする。
バレッタはもしも壊れたり落としたりしたら嫌だからつけなかったけれど髪の毛をポニーテールに結んで貰ったシュシュをつけている。
それだけで気分は上がるし見える景色さえ違うと感じるのは気のせいではない。
「嬉しそうな顔しちゃって」
「だってこういうプレゼント初めてなんだもん。それに唯くんの気持ちが嬉しい」
「良かったね」
「うん!」
この時私は幸せだと、そう思っていた。



