「唯くん今日バイト休みだよね。放課後どっか寄っていく?」
お昼休み、お弁当の玉子焼きを齧りながら聞いた私に唯くんは「あー、」と気ダルげな声を出した。
「今日は無理だわ」
「何か用事?」
「あぁ。沙弓」
その名前を聞いた瞬間、頬がピクっと動いた。
「沙弓ちゃんとどこか行くの?」
「なんか沙弓が買い物に付き合って欲しいって」
「買い物?」
「友達の誕生日プレゼント選ぶのに付き合えって」
そう言ってガブッとパンを頬張る唯くんを横目に「プレゼント選びねぇ⋯」と息を吐いた。
友達の誕プレ選びにわざわざ男子である唯くんに相談する必要あるかなぁと眉を寄せる。
唯くんは「沙弓は女の友達少ねぇからな」と言うけれどやっぱり沙弓ちゃんは唯くんに特別な感情を持っていると思う。



