「唯くん!」
思ったよりも大きくなった声に唯くんだけでなく両脇にいた女の子も私の方を見た。
明らかに鬱陶しそうな視線にウッと後ずさりそうになりながらも人の彼氏にベタベタしやがってコノヤロウと怒りの方が大きい。
もちろんそれを許している唯くんにも。
「どうした?」
まるで悪いことはしたいませんよという様な態度の唯くんの腕をグイッと引っ張っる。
その拍子に女の子から「キャッ」だか「ギャッ」だかなんだか分からない小さな悲鳴が聞こえたけれどこの際気にする必要はない。
「こっちきて」
まるで昨日の様に唯くんの腕をぎゅっと掴みながら教室の端の方へと引っ張った。



