約2時間の映画を見終えて映画館を出ると唯くんは大きく伸びをした。
そして特大の欠伸も。
「映画、つまんなかった?」
「翼は面白かったか?」
私が聞くと自分は答えることなく、私に聞き返す。
「うん、面白かったよ。最後ヒロインは婚約者の方に行くと思ったけど幼なじみの方にいったし、最後結婚式に幼なじみが乗り込むシーンはハラハラしたし感動した!」
映画のストーリーは付き合っている幼なじみの恋人の彼女の方にある日突然婚約者がいる事が分かり、その婚約を受け入れなければ両親の経営する会社が経営危機に陥ってしまうというもの。
ヒロインは婚約者と幼なじみの間で葛藤しながらもラストは幼なじみと結ばれるというものだった。
私は婚約者と彼女の結婚式に幼なじみが乗り込みヒロインを攫うラストシーンでは涙してしまった。
ありきたりな、まるで三流映画の様なストーリーだったけれどこれが案外よく作り込まれていて感情移入してしまったわけだ。



