戯れ、ランデブー。 【完】






「あっ!そうだ。唯くん今日の放課後なんだけど、」

「あー、悪ぃ」

「え?」

「バイト入った」



悪ぃと言いながらも唯くんはさほど悪いと思っていないのが見て取れる表情で「悪いな」ともう一度言った。



「何でバイトあるの?今日は休みって」

「急遽ヘルプ呼ばれた。今日シフトの奴が風邪で来れねぇんだって」

「⋯なら、仕方ないね」

「だから映画はまた今度な」



ああ⋯今話題の恋愛映画、楽しみにしていたのにな。

普段ラブストーリーなんて絶対見てくれない唯くんに頼み込んでやっと今日観に行く約束を取り付けたのに⋯。


でも、バイトなら仕方ないか。



「分かった。じゃあ、明日観に行こうね」



明日は特にデートの約束なんてしていなかったけどそう言えばフッと笑った唯くん。



「あぁ。約束な」



そう言ってクシャッと私の頭を撫でた。


付き合って一年ちょっと。
それでも唯くんの笑う顔とスキンシップには慣れる事はない。