「何のためにトイレ行ったんだよ」
リボンを直し終えて、呆れた様に笑った唯くんの表情は何だかとても柔らかくて。
全てバレている恥ずかしさに隠れてしまいたくなるもその笑顔が見れるならどんな恥だってかいていいやと思ってしまう。
「あり、がと。唯くん」
「ん」
それに何だかいい。
よく新婚夫婦で旦那さんのネクタイを結んであげたりっていうシチュエーションがあるけれどこうやってリボンを直してもらうのもアリかもしれない。
ドキドキしたし⋯。
と、私が妄想を捗らせていると⋯
「何変な顔してんの」
「へ?」
「一人でニヤニヤして変なやつ」
「変って⋯!そんなニヤニヤしてた?」
「してたしてた」
「うそ⋯」
唯くんには妄想中の私の顔が変に見えたらしく危ないものを見るような目で見られた。



