戯れ、ランデブー。 【完】



「っ!?」


首の辺りに伸びて来た手に、ビクッと身体が跳ねた。



「リボン、曲がってる」



そう言った唯くんは驚く私のことなんて気に留めず制服のリボンに手を掛けてそれを直した。



あぁ、ビックリした。

首の方に手が伸びてきたから一瞬、締め上げられるのかと思った⋯。


というのも小さい頃によく兄にプロレスごっこや戦隊モノごっこなどに付き合わされてきて酷い目にあったものだからそういう危機感は人一倍強いのかもしれない。


まあそれほど私がビビりという事なのかもしれないけど⋯と、それにしてもやってしまったなぁ。


さっき鏡でチェックしたはずなのにリボンが曲がっていたなんて⋯顔周りばかり気にしてそういうところは全然意識していなかった。