「あれ、脂じゃねぇ」 「そうだよ!それはリップグロスで⋯!」 「普段と色は変わんねぇから何か食ったのかと思った」 「そんなぁ⋯」 そりゃあナチュラルが売りのリップグロスだけど!(一度真っ赤になるまで塗りたくった後、ティッシュで拭ったけど!普段と色が変わらない事はないでしょうよ!と文句を言ってやりたい。 だけど、 「悪かったって。また付ければいいじゃん」 「付けるけどさぁ⋯」 「何か匂いもするし、俺好き」 「っそう?」 「あぁ」 惚れた弱みというのか、私はとことん唯くんに甘い。