「ちょっと、阿久津くんはバイトじゃなかったの?」 「そのはず⋯」 「そのはずって。あれ!いいの!?」 ビシッと音がなるくらいの勢いで唯くんたちを指さすエリーに私は俯いた。 いいのかって聞かれたって、どうすればいいのか分からない。 唯くんが私じゃない女の子と二人でいるのは嫌だけど、それを言ってしまったら彼はめんどくせぇって離れて行ってしまうかもしれない。 そう思ったら怖くて何も言えなかった。 相手は幼なじみの沙弓ちゃん。 だから大丈夫って思いと、だから余計に嫌だという思いがせめぎ合う。