戯れ、ランデブー。 【完】

「どうして⋯これ⋯」


「聞いた。心当たりない?」




箱に入っていたのはハートをモチーフにしたネックレスで。


これはエリーと遊んだときに私が欲しいと言ったネックレスだった。




「エリーに聞いたのっ?」

「正解」

「だから⋯」




唯くんがバイトばかりだと相談したときに笑っていたんだ!

エリーめそれならそうと言ってくれればいいのに⋯。


と思いつつも、


エリーが言ってしまったら唯くんのサプライズは台無しになってしまう訳で⋯、結局は私の知らないところでこんなサプライズを企んでくれた唯くんとエリーには感謝しかない。





でも⋯待てよ?ということは⋯⋯





「バイトが忙しいってこれの為⋯?」


「あぁ。これ買う為にちょっと頑張った」




ブランド物のネックレスは高校生のお小遣いでは到底買える額じゃなく、私の為にバイトを頑張ってくれていたんだと思うと感動して涙が出そうになる。


でもそれと同じくらい私の為にしてくれていたのにそれを不安がってしまった自分に嫌気もさしてくる。