戯れ、ランデブー。 【完】

「翼」


唯くんに名前を呼ばれて零れ落ちる涙を手の甲で拭う。




「沙弓の告白は断ったよ」

「⋯うんっ⋯、」

「大切な幼なじみだけど、もっと大切な人がいるから」

「⋯、」

「告白も翼からだったし、翼はいつも言葉を伝えてくれるからそれに甘えてたけど⋯それじゃダメだってことだよな」




そう言うと唯くんは一度瞬きをしてから、その綺麗な瞳で私を見つめ───────、






「俺は翼のこと愛してるよ」






「好き」よりもずっとずっと重くて尊い気持ちを伝えてくれた。