「じゃあ唯くんまた明日ね。バイト頑張って!」

「ん、じゃーな」



放課後になり今日もバイトだという唯くんと教室で別れて私はトイレへと向かった。



1番奥の個室に入り用を足して出ようとドアのロックを開けようとした時───────、





「そう言えば昨日の唯と伊藤さんの話聞いた
~?」



トイレの扉が開き入ってきた声に動きを止めた。


唯くんと沙弓ちゃんの話⋯?



前にもこんなことがあった気がするけどこうして人の話を盗み聞きして良かったことなんてない。

それでも唯くんと沙弓ちゃんの名前に聞き耳を立ててしまう私はどうしようもない。