戯れ、ランデブー。 【完】

でも唯くんが言う通りたまたま今はそういう気分じゃないだけかもしれない。

そういう気分ってなんだよ、と思うけれどこうして自分に納得させるしかない。

だって拒まれるなんて凄くショックなんだもん。


拒まれた事実が凄く恥ずかしいんだもん。

沙弓ちゃんを保健室に連れて行った後、様子のおかしかった唯くんにどこか引っかかる気持ちを感じながらもそれを心の底に沈めた。


「悪い⋯」

「ううん⋯私の方こそごめん」

「翼⋯、」

「あ、ほら!バイト遅れちゃうよ?早く行って!」

「⋯つば、」

「じゃあ送ってくれてありがとう!またあしたね!」


これ以上唯くんこ言葉を聞いていたら泣いちゃいそうで。

大分減ってきた不安のタンクがまた満杯になっちゃいそうで早口でそう言うと唯くんを見送ることもせずに家の中へ入った。