「じゃ、またな」
「バイバイ」
唯くんに小さく手を振って自転車が走り出すのを待つ。
だけど待ってみても唯くんがペダルを漕ぐ事はなくて⋯どうしたの?と聞く前に唇を塞がれた。
パチっと開いたままの目に映るのは唯くんの長い睫毛。
キスされたんだと理解出来たときにはもう唇は離れていた。
「ゆ、」
「じゃーな」
突然のキスに驚く私を他所に唯くんは少し意地悪な笑みを浮かべながらそう言うと私の頭をひと撫でして行ってしまった。
ふわっと残るのは大好きな心地良い香り。
「⋯⋯っ」
その前の雰囲気もない不意を突いたキスにブワッと顔が熱を持つ。
いきなり過ぎだよ⋯。
そう思いながらもキュンキュンと高鳴る胸は眠りにつくまで止まる事はなかった。



