それから1週間。
「唯くん帰ろ!」
「悪い、今日もバイト」
唯くんのバイト三昧はまだ続いていて、今日も一緒に帰ることを断られてしまった。
「昨日もその前もその前もバイトだったよ?」
「シフト詰め込んでもらってんだよ」
「最近頑張り過ぎじゃない?」
「そうか?」
「心做しか顔も疲れてるように見えるし⋯大丈夫なの?」
最近の唯くんはなんと早朝にもコンビニのバイトを始めたらしくその綺麗な目の下には薄らとクマもある。
「ねぇ唯くん⋯なんでそんなにバイト、」
「わり、今日ちょっと入り早いからもう行く」
「えっ、ちょっと⋯、」
「悪いな、夜電話するから。気を付けて帰れよ」
「あっ、唯くん⋯!」
時計を確認した唯くんは慌てて教室を出て行ってしまい1人ポツンと残される。
⋯本当、どうしたんだろう。
また今日もバイトを詰め込んでいる理由を教えてもらえなかったし⋯。
不安と心配が入り交じってモヤモヤした。



