「もともと内気だった沙弓はよく虐められてて⋯それを俺が庇ったりやり返したりしてたんだけど、中学に上がれば俺との関係をなんやかんや言われて虐められて⋯」
「うん⋯」
きっと沙弓ちゃんは今日みたいな事は初めてではないんだろう。
アミたちから逸らさなかった瞳を思い出して胸が痛んだ。
「その度俺がまたやり返して釘さして⋯きっと沙弓は俺にしか心を開いてないし、小さい頃からずっと寂しい思いしててある種依存してんだと思う」
「⋯、」
「依存、なんて重いもんじゃないかもしれないけど、沙弓は沙弓で俺を信頼してくれてるんだと思う」
「うん⋯」
「俺も、小さい頃から沙弓と一緒にいて放っておけない」
「っ」
「困ってたら助けてやるし、他の女とは違う」
「っうん、」
理解しようとは思う。
幼なじみってだけじゃなく、沙弓ちゃんの過去や唯くんの守りたいって気持ちを受け入れなくちゃいけないとは思ってる。
でも、他の女とは違うって言われて平気な顔していられる女なんていない。



