戯れ、ランデブー。 【完】

「俺と沙弓は幼なじみで、昔から一緒だった」

「うん⋯」

「家も近くてよく遊んだりしてた。というより、沙弓は俺しかいなかった」

「え⋯、唯くんしかいなかったって⋯」

「沙弓の親は沙弓が小さい頃に離婚してて、金銭的に余裕のある母親に引き取られたんだけどその母親はバリバリの仕事人間でさ。家に帰ってくるのは遅いし出張もしょっちゅうだし」

「うん⋯」

「沙弓が小学校に上がればそれはまた更に酷くなって。まあ母親からしたらキャリアを失いたくはないし女手一つで沙弓を育てなきゃって思ってたんだろうけど沙弓は寂しい思いをしてたんだと思う」