「なに、唯くんはいいなぁって」
「沢山食べてるのにお肌も綺麗だし、全然太らないし」
「そんな事かよ」
「!そんな事って私にとったら羨ましい限りなんですけど」
「羨ましい?」
「うん!本当不思議。なんでこんなに唯くんは綺麗なんだろう⋯って⋯」
そこまで、というか最後までしっかり言ってから気付いた。
私、凄く小っ恥ずかしいこと口走らなかった!?
「顔、赤くなってるんだけど」
「い、言わなくていいよ⋯」
ニヤリと、意地悪く笑った唯くんはパンを持っている手とは違う方の手で私の頬に指を滑らせる。
俯いた拍子にハラリと落ちた髪の毛が、何だかゆっくり見えた。



