戯れ、ランデブー。 【完】

「ゆ、ゆい⋯くん?」


突き放され、罵られる事すら覚悟したのに私は今唯くんに抱き締められている。

あまりの訳の分からなさに涙も引っ込んだ。


「な、なんで⋯」

「お前ってさぁ、何でそうやって自分を卑下すんの?」

「え⋯?」

「さっき沙弓連れて行く時俺“ありがとう”って言わなかった?」

「⋯言った⋯意味分かんなかったもん⋯」


私がそう言えばハァーっと深いため息を吐きながら私の肩に顔を埋めた唯くん。

髪の毛が首に当たってちょっと擽ったい。


「そのありがとうって、沙弓を助けてくれてありがとうって意味なんだけど」

「は⋯え?」

「本当に翼って意味わかんねぇ」


呆れたように言う唯くんだけど私の方が意味分かんないから。

だって私、沙弓ちゃんのこと見捨てようとしたんだよ?なのにありがとうって⋯。