戯れ、ランデブー。 【完】

俯いたまま顔を上げられないでいると、沙弓ちゃんを支えながら私の前に来た唯くんがポン、と私の頭に手を乗せた。


「ありがとな、翼」


咄嗟に顔を上げた先に見えたのは唯くんの優しい表情。


なんで⋯。


そんな疑問を口にする前に唯くんと沙弓ちゃんは体育館裏から去って行った。


ボーッと立ち尽くす私。

どうして唯くんはお礼なんか⋯。


最低だとしか思えない自分の行動に似合わない唯くんの言葉。


残ったのは頭に感じた温もりだった。