戯れ、ランデブー。 【完】


「翼は面倒なことに突っ込んでいくよな」


呆れながらも笑っている唯くんに「そんなことないよ」と言おうとしたけれど今日の事を思えば反論出来ない。


「面倒っていうか、ああいう雰囲気が苦手なんだよ」

「だからって普通やりますとか言うか?」

「それはそうだけど⋯HRが長引くのも嫌だし、なら私が手挙げてさっさと決めちゃおうと思って」

「意外と正義感あるよな」

「意外って失礼!」

「ははっ⋯、でも普段は変な壺とか買わされそう」

「⋯そんなことないもん」


実際私は気の弱いところがあるし根っこの部分はオドオドしているから唯くんの言っている事はあながち間違いではない。

けどいくらなんでもいらないものは「いらない」と言うことくらい出来る。

騙されたりだって⋯たぶんしない。