戯れ、ランデブー。 【完】

翌日、朝のHRで担任が「今日の放課後誰か残れるやついないかー?」と生徒たちに声を掛ける。

だけどその明らかに雑用を任される雰囲気に手を挙げる者は一人もいない。


「それって絶対扱き使われるだけだろー」


クラスメイトの誰かの言葉に皆がうんうんと頷く。


「扱き使われるって人聞きの悪い。ただすこーし先生のお手伝いをしてもらうだけだ」

「ぜってぇヤダ!」

「おっ、じゃあお前にするぞー?うん?」

「無理!つーか絶対残んねぇから!」


文句を言う1人のクラスメイトにターゲットを絞った担任はニヤニヤしながら話を進める。

だけどターゲットにされた男子は絶対嫌だと拒否し、その姿勢を貫く。


「そんなこと言っても誰かには手伝ってもらわないと困るんだそー?誰かいないのか?」


ターゲットの男子に任せても放ったらかしにされてしまうと思ったのかその男子を諦め再びクラス全員を見渡しながら立候補を待つ先生。


そんなこと言ってもわざわざ自分から残りますなんて言う人誰も居ないってと半ば呆れながらも事の成り行きを見守っているとついに、担任が若干キレ始めた。