戯れ、ランデブー。 【完】

「違うよ唯くん、違う」

「違うって何が？」

「確かに誘われたけどちゃんと断ったし⋯」

「へぇ」

「へぇって⋯本当に違うからね！？合コンなんて行かないよ私、絶対」


唯くんの信じているんだか疑っているんだか分からない澄ました態度に一抹の不安を感じ、勘違いされては困ると、怪しいくらいに否定した。

これで唯くんが勘違いして喧嘩になったらどうしようと、縋るような気持ちで唯くんを見つめる。


「本当だよ。合コンなんて興味ないし」

「⋯」

「本当の本当の本当だよ！？」


もうそれは必死に、唯くんの誤解を解こうとすればプッ、と唯くんの吹き出す音が聞こえて訳の分からないまま小さく笑う唯くんを見た。