戯れ、ランデブー。 【完】

「あー、」

とバツが悪そうな唯くんに「何かあるの?」と聞けばどうやら違うクラスの友人とカラオケに行く約束をしたらしい。


「カラオケ?」

「ヒデとかアミとかに誘われてんだよ」

「アミ⋯」


アミといえば唯くんを狙っている他クラスの女子。
所謂ギャル系で私と直接関わりはないもののたまに鋭い視線を向けられる事がある。


行ってほしくない。
友達と遊ぶのは全然いいんだ。それに私よりもそっちの予定の方が先だったんだし。
友達と遊ぶのをドタキャンしてまで私といろとは言わない。

ラテだって別に今日じゃなくてもいいものだし。


でもそこに女の子がいるなら⋯。

アミがいるなら⋯行ってほしくない。




「⋯⋯」

「⋯⋯」

「⋯⋯」

「そうなんだ⋯」


やっと出た言葉は葛藤が滲み出ている声。