「お、肉巻き発見」
唯くんが屋上に来てパンの袋を開けたのを見てから私もお弁当のフタを開けるとさっそくアスパラガスの肉巻きを見つけた唯くん。
実はこれは唯くんの好物でもあり、私のお弁当に登場する頻度が高いおかずでもある。
「食べていいよ」
「マジ?さんきゅー」
笑うと目尻が下がる唯くんは嬉しそうにそう言って私のお弁当から肉巻きを一つつまんだ。
「うま、」
「本当?ありがとう」
「翼の作るメシって本当うまいよな」
「っていっても冷凍も多いよ?」
「けど肉巻きとかは手作りだろ?マジですげぇよ」
そう言いながらさり気なく玉子焼きもパクッと頬張った唯くんに「ちょっとー」と言いながらも心の中では嬉しくてどうにかなりそうだった。



