「それじゃないの?未来の初恋って」

16の頃、10才年上の女友達である翔子さんがそう言った。

高認と大学進学のためのスクールに通っていた頃のことだ。



実は、私は高校中退している。

どうしても、県立の第一志望の進学校を譲れなかった結果、案の定落ちてしまい、マンモス私立へ進学することになってしまったのだ。

しかし、私の居た特進のクラスは、とてもギスギスした雰囲気。

それがストレスで仕方なかった。

普通科のクラスに行きたいと担任に頼んでみたが、学校としては、1人でも多く難関大学に送り込みたいから、その願いは受け入れられず。

運がいいのか悪いのか、私は約700人中、常に5位以内に入っていたせいもあり、学校としては頑張ってもらいたい駒なのだと気付く。

そこで私は、一か八かの賭けに出た。