ご主人様は、専属メイドとの甘い時間をご所望です。〜無気力な超モテ御曹司に、イジワルに溺愛されています〜




青凪くんの体温に包み込まれて、甘くて優しい匂いが鼻をくすぐる。


昨日よりは落ち着いてるけど、心臓が少しずつ大きく音を立て始めてる。


ど、どうしよう。

また昨日みたいな原因のわからない発作のようなものが起きちゃったら。


「あのっ、青凪くん……っ。ち、近い……です」


抱きしめてくる青凪くんの身体を押し返すと、何かに反応するようにピクッと肩が跳ねて。


「あーあ……それ気に入らない」


急に真上に覆いかぶさってきて、あっという間にわたしを組み敷いた。


「誰が青凪くんって呼んでいいなんて言った?」

「へ……っ」


「ご主人様の名前くらいちゃんと覚えなよ」

「だって、青凪くんは……んんっ」


ちゃんと呼べなかった。


だって、何も言わずに青凪くんがキスしてきたから。