「やっと付き合ったか、あのバカは。」

 そう呟くのは、出来立てほやほやバカップルの彼氏の方の親友だ。

 だがその目には、親友の姿など一切映っておらず、ひたすらに親友の彼女を映していた。

 「一途にも程があるんじゃない?麻央ちゃん…」

 悲痛の感情を灯した目で青年は親友の彼女を見つめる。

 「こんなはずじゃ、なかったのにな…一回告って、フラれたら諦めるつもりだったのに…」

 そう呟く青年の目には涙が滲んでいた。