「……」

 なにも、変わっていなかった。

 甘くて、ほんのりと苦い、ココアクッキー。

 また、これが食えるなんて思ってなかった。

 『うまい』

 そう言っただけなのに、花が咲くように笑った麻央は本当に可愛かった。

 同時に、残酷だとも思った。

 斗真と想いあってるのに、期待させるなんて。

 俺が麻央と結ばれる可能性なんてとうの昔にちぎれてるってのにな。