「あ、斗真くんにも。はい」

 「ありがとう〜!」

 両手で、嬉しそうに受け取る斗真くん。

 「沙奈ちゃんも!」

 「ありがとう。」

 にっこり笑って受け取ってくれる沙奈ちゃん。

 ふふっ喜んでもらえてよかった〜!

 ふと、木波くんに目を向けると、クッキーを食べていた。

 「ど…どう?」

 「…ん。うまい」

 そう言ってもらっただけなのに、私は今にも天にも昇りそうなくらいだった。

 そんな私は案外単純なのかもしれない。