そんなレインが天使でないことに、アンはアンで驚きながら、恥ずかしそうに自分の名を告げた。
『ア、アンチェルヌ=レーゲン=ナフィルでしゅ』
『アンシェルヌ……ステキな名前だね』
幼いアンはサ行の発音がまだ上手く出来なかった。
それにいち早く気付いたレインは、アンの正式な名をちゃんと分かってくれた。
『あ、ありがと……レ、イン』
名前を褒められたことが、よっぽど嬉しかったのだろう。アンはすっかり泣きやんで、吸い寄せられるようにレインの元へ歩み寄った。
五歳に近いレインは、もちろんアンより背が高い。格子越しに腕を伸ばして、見上げるアンの頬を拭ってやった。
その頬が赤く上気していたのは泣いた所為なのか、とある感情がアンの中に芽生えたからなのかは分からない。
『キレイなコップだね。キミがココまで持ってきたの?』
レインもさすがにそのグラスの大きさには違和感を抱いていた。
『んんん。これは、えっと~』
あの影は一体誰であったのか? そもそも人であったのか? 色は暗くとも、もしやあの人こそが天使ではなかったのか?
こんな素敵な出逢いをくれたのだから……アンは沢山のことを考えすぎて、何も説明が出来なかった。
『ア、アンチェルヌ=レーゲン=ナフィルでしゅ』
『アンシェルヌ……ステキな名前だね』
幼いアンはサ行の発音がまだ上手く出来なかった。
それにいち早く気付いたレインは、アンの正式な名をちゃんと分かってくれた。
『あ、ありがと……レ、イン』
名前を褒められたことが、よっぽど嬉しかったのだろう。アンはすっかり泣きやんで、吸い寄せられるようにレインの元へ歩み寄った。
五歳に近いレインは、もちろんアンより背が高い。格子越しに腕を伸ばして、見上げるアンの頬を拭ってやった。
その頬が赤く上気していたのは泣いた所為なのか、とある感情がアンの中に芽生えたからなのかは分からない。
『キレイなコップだね。キミがココまで持ってきたの?』
レインもさすがにそのグラスの大きさには違和感を抱いていた。
『んんん。これは、えっと~』
あの影は一体誰であったのか? そもそも人であったのか? 色は暗くとも、もしやあの人こそが天使ではなかったのか?
こんな素敵な出逢いをくれたのだから……アンは沢山のことを考えすぎて、何も説明が出来なかった。


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