「あたしはこれで十分快適よ。それよりそろそろ潜伏中の五人も空き家で合流したかしら? あたしたちは……確か九時を回ったら此処を離れるのよね?」
彼女自身が麻袋をクッション替わりにしなかった理由は、その中身が穀物であったからだ。人様が口にする物に腰掛けるのには抵抗があった。
だが、メティアにも同じ想いのカケラはあるのだろう。丁寧に畳んだマントを敷いていたので、アンもメティアを咎めるまでには至らなかった。
実際水車小屋に移ったのはアンとメティアのみ、フォルテと侍従には店主の寝室にてパニからの報告を待ってもらった。
そのためアンは屋根裏部屋を後にした時点で、フォルテと別行動が始まった訳だが、案の定フォルテは早々の別れに号泣寸前であった。
夜半には空き家でしばしの再会が待っていると分かっていてもこうなのだから、まったくフォルテの心配性はあなどれない。
とはいえ、そういうところがフォルテらしく、侍女らしい一面でもあるのだが。
彼女自身が麻袋をクッション替わりにしなかった理由は、その中身が穀物であったからだ。人様が口にする物に腰掛けるのには抵抗があった。
だが、メティアにも同じ想いのカケラはあるのだろう。丁寧に畳んだマントを敷いていたので、アンもメティアを咎めるまでには至らなかった。
実際水車小屋に移ったのはアンとメティアのみ、フォルテと侍従には店主の寝室にてパニからの報告を待ってもらった。
そのためアンは屋根裏部屋を後にした時点で、フォルテと別行動が始まった訳だが、案の定フォルテは早々の別れに号泣寸前であった。
夜半には空き家でしばしの再会が待っていると分かっていてもこうなのだから、まったくフォルテの心配性はあなどれない。
とはいえ、そういうところがフォルテらしく、侍女らしい一面でもあるのだが。


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