「お姫サマの亡き母上の弟君だよ……俺もまだ子供の時分だが、スウルムはかつて父である前ナフィル王の右腕だった。折衝を兼ねてリムナトと行き来する内に、王宮で作法見習いをしていたイシュケルの娘クレネと出逢ったのさ」
イシュケルがレインに語った「クレネの父親」──ここで二人の話が繋がった。
そこから予測される結末は……明らかに裏切りの物語であった。
「二人は恋仲になったんだよなぁ、イシュケル? 相手は隣国の自他共に認める有望株だ。本来なら大歓迎すべき良縁であったのに、どうしてあんなことになってしまったのか……俺からお姫サマたちに説明しても構わないよなぁ?」
「……」
思い出したくもない過去をさらけ出された所為なのか、イシュケルは表情も見えないほどに俯いて、ただひたすらこの時が過ぎるのを待っているかのようだった。
それでも僅かに首が縦に揺れた気配を悟り、ネビアはそれを了承と見なして再び口を開く。
イシュケルがレインに語った「クレネの父親」──ここで二人の話が繋がった。
そこから予測される結末は……明らかに裏切りの物語であった。
「二人は恋仲になったんだよなぁ、イシュケル? 相手は隣国の自他共に認める有望株だ。本来なら大歓迎すべき良縁であったのに、どうしてあんなことになってしまったのか……俺からお姫サマたちに説明しても構わないよなぁ?」
「……」
思い出したくもない過去をさらけ出された所為なのか、イシュケルは表情も見えないほどに俯いて、ただひたすらこの時が過ぎるのを待っているかのようだった。
それでも僅かに首が縦に揺れた気配を悟り、ネビアはそれを了承と見なして再び口を開く。


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