「その事件のことだけど、先にお互いの情報をすり合わせておきたい。君たちはこの三日間にどんなことを知ったの?」
レインの視線は一度アンの許へ戻ったものの、すぐに侍従とフォルテに向けられた。
それに応じるように、侍従の一人が口を開く。
「城下に潜伏しております兵士たちより、毎朝書面にて報告は届いております。受け取りは此処の店主が朝市に出掛けた折に。その日一番のパンを焼き上げてから店主は出ていきますので、今朝の分は未だ届いておりません。昨朝までの情報では、反乱分子は既に鎮圧され、城内は平常に戻っているとのことでした。ですが……今後のナフィルに対して、いかなる制裁を下すべきかと……政府内で話し合いが持たれているとのことです」
侍従は後半絞り出すように、言葉と共に口惜しさを吐き出した。
レインの足元に跪き、懐にしまっていた二通の書状を恭しく広げてみせた。
順に手に取って目を通したレインだが、昨朝の二通目を受け取った際、その表情が一瞬引き締められた──気がした。
彼の得ている情報とは何かが違ったということか?
レインの視線は一度アンの許へ戻ったものの、すぐに侍従とフォルテに向けられた。
それに応じるように、侍従の一人が口を開く。
「城下に潜伏しております兵士たちより、毎朝書面にて報告は届いております。受け取りは此処の店主が朝市に出掛けた折に。その日一番のパンを焼き上げてから店主は出ていきますので、今朝の分は未だ届いておりません。昨朝までの情報では、反乱分子は既に鎮圧され、城内は平常に戻っているとのことでした。ですが……今後のナフィルに対して、いかなる制裁を下すべきかと……政府内で話し合いが持たれているとのことです」
侍従は後半絞り出すように、言葉と共に口惜しさを吐き出した。
レインの足元に跪き、懐にしまっていた二通の書状を恭しく広げてみせた。
順に手に取って目を通したレインだが、昨朝の二通目を受け取った際、その表情が一瞬引き締められた──気がした。
彼の得ている情報とは何かが違ったということか?