六月十一日。


つい、二日前。



『学級洗脳崩壊アプリ』を使って三軍のアイツらを陥れようとした日。



時刻は遅刻ギリギリの時間。


今すぐ家から出ないと学校に遅れてしまう。


だけど何だか今日は余裕がある。



消えてしまったけど、もしかしたら効き目があるんじゃないか。


そんな淡い期待がまだ心のどこかに残っているからだ。


「行ってきます………っ!」


いつもより元気な声で家を出た。



だけどやっぱり時間に間に合わないから猛ダッシュ。