6人で帰る帰り道・・・・・・。



私は五島くんと帰ることになっても、結局皆の輪に上手く入れず、なんの会話もないまま何時も通り後ろからくっ付いて歩いた。



皆が五島くんとの話に盛り上がっているのを後ろから眺めながら歩いていると、やっぱり少しばかり寂しい気持ちになり、涙が出そうに……。



輪に入れない理由は、コミュニケーションが上手く出来ないことが原因だろう。



私の家は酒飲みの父がいて、毎晩夫婦喧嘩が耐えず、私も毎日理不尽に罵倒され怒られ育った。



それに加え、会話の無い家庭環境だったのでその時の私は基本的なコミニュケーションのスキルを持ちえていなかったのかもしれない。でも、そんな私に声をかけてくれたのは、転校生の五島くんだった。



「離れてないで一緒に話そう」



「……」



私はどうして良いか分からず、何も答えずにいた。



「じゃぁ、そっち行くよ!」



そういうと、皆の後ろにいる私のところへ来てくれた。




何だか照れくさい! でも、ちょっと嬉しい。



それからのこと……気付けば、私は五島くんと二人で帰るようになっていた。