わたしが真神高校に入学して、早くも2ヶ月近くがたとうとする。

梅雨も明け、すっかり夏に。


季節は移り変わるけど、わたしと一之瀬くんの隣の席という関係は変わらなかった。


結局、わたしにはこの学校でも友達ができないまま。

普段の学校生活は、ほとんど1人で過ごしている。


でも、それは一之瀬くんも同じ。


たまに学校にきても、だれかとつるむ様子はない。

そして、ふらっと授業を抜け出してどこかへ行ってしまうのだ。


その向かう場所とは、屋上。

3年生の不良たちを追っ払って以来、ここが一之瀬くんのお昼寝の場所になっていた。


だからわたしも、たまに気分で授業をサボっては、一之瀬くんのいる屋上へ行っている。


べつに、なにか話すというわけではない。

ただ、ごろんと寝転んでいっしょに空を見上げているだけ。