「それは…なんとも言えません。向坂さん自身が事故で大きなショックを受けて、思い出すの躊躇ったために記憶を失くしたのかもしれません」
「つまり、それは…。思い出さないほうがいいということですか?」
「それがいいか悪いかはわかりませんが、もしかしたら向坂さんにとって、忘れたくなるほどの辛い記憶だったのではないかと思われます」
「そう…ですか…」
それ以上、なにも言葉が出てこなかった。
今は、自分の現状を受け止めるので精一杯だったから。
話を聞くと、どうやら2ヶ月ほど前の3月――。
大雨が降り注ぐ肌寒い真夜中に、わたしは交通事故にあってこの病院に運ばれてきたのだという。
大きな事故の割には、幸い軽いケガですんだ。
しかし、頭を強く打っていたのが原因で、意識不明の状態に。
「つまり、それは…。思い出さないほうがいいということですか?」
「それがいいか悪いかはわかりませんが、もしかしたら向坂さんにとって、忘れたくなるほどの辛い記憶だったのではないかと思われます」
「そう…ですか…」
それ以上、なにも言葉が出てこなかった。
今は、自分の現状を受け止めるので精一杯だったから。
話を聞くと、どうやら2ヶ月ほど前の3月――。
大雨が降り注ぐ肌寒い真夜中に、わたしは交通事故にあってこの病院に運ばれてきたのだという。
大きな事故の割には、幸い軽いケガですんだ。
しかし、頭を強く打っていたのが原因で、意識不明の状態に。



