友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

それに、『家族がいない』という境遇も同じだった。


「物心ついたときから、『家族』っていう存在はいなかったけど…。『仲間』ならいる」

「仲間…?いいねっ。家族よりも絆が深そう」

「ああ。俺にとっては、あいつらが『家族』だからっ」


そう語る一之瀬くんは、今日見た中で一番いい顔をしていた。

きっと、とても素敵な仲間がいるのだろう。


「向坂は?周りにいねぇの?そんなやつ」

「わたしは…」


ふと、万里くんの顔が頭に浮かんだ。


「仲間じゃないんだけど、似たような存在だったら、…『彼氏』ならいるよ」

「なんだよ、ノロケかよ」

「…違う違う!そういうつもりで言ったんじゃないんだけど…。…たぶん、『彼氏』なの」

「なに、その曖昧な感じっ」


はっきりとしないわたしの表現に、一之瀬くんは小さく笑っている。