友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

「じゃあ、もう少しここにいて?」


すると突然、一之瀬くんがわたしの手首をつかんだ。


数学の教科書を貸しただけじゃお礼したりないから、また今度別でお礼をって意味だったんだけど…。


わたしがもう少しここにいること…?

それが、一之瀬くんが求めている…お礼?


「なんか、あんたの声…落ち着くから。もう少しだけ、そばにいてほしい」

「一之瀬くん…」


まるで、このときだけ時間が止まったかのように、わたしと一之瀬くんは静かに見つめ合っていた。


「…って、俺もなに言ってんだろうな。授業に行くんだよな」


しかし、再び時計の針が動き出したのか、我に返った一之瀬くんがパッとわたしの手首から手を離した。


「呼び止めて悪かった」


そうして微笑む一之瀬くんだけど――。

その表情は…どこか儚げで。