友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

「族の喧嘩に、卑怯もクソもねぇんだよ。勝ちさえすれば、あとはなんだっていいんだよ」


一之瀬くんが殴られる様子を、万里くんは実に楽しそうに眺めていた。

それは、わたしにとっては目を背けたくなる光景。


しかし一之瀬くんは、なんとか最後の1人を蹴り飛ばすと、おぼつかない足取りでわたしたちのすぐ目の前までやってきた。


…もう、体はボロボロのはずなのに。

わたしのために、こんなになってまでっ…。



万里くんは、まさか一之瀬くんがここまでやるとは思っていなかったのか、一瞬焦りの表情が表れた。


だけどすぐに、立っているのがやっとの一之瀬くんの様子に、薄ら笑いを浮かべた。


「一之瀬。見た感じ、ヘロヘロみたいだが大丈夫か?」

「…ああ。心配されるほどじゃねぇよ。まだ、肝心のお前が残ってるからな」


口の端から血を流し、肩で息をする一之瀬くん。


こんな状況で、万里くんとやり合ったって勝ち目なんてない。

アドバンテージが違いすぎる。


それなのに、一之瀬くんはなにがなんでもわたしを助けようと…。