後ろから声がして、ハッとして振り返る。


すると、一之瀬くんが目をこすりながら体を起こした。


「ごめん、…起こしちゃった?」

「…いや。なんとなく向坂がいないような気がして、目が覚めた」


一之瀬くんは、何気なくわたしが手にしていたスマホに目を移す。


「…緊急の連絡でもあった?」

「ううん…!ちょっと時間を確認しただけっ」


わたしは、とっさにスマホの画面を伏せる。


「だったら、俺から離れんなよ。ずっと抱きしめさせて」


一之瀬くんはわたしの唇を奪うと、そのままベッドに押し倒したのだった。


返信は――。

…しないほうがいいよね。


わたしはそう思って、また一之瀬くんの腕の中で、一之瀬くんのぬくもりに包まれながら眠るのだった。



しかし、次の日も、その次の日も、差出人不明のメッセージは毎日のように届いた。