友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

そう伝えたいのに、声を出すこともできない。


「ひとまず、受け入れ先の病院が分かれたので、別々のところへ搬送します」

「…それはよかった。よろしくお願いします!」


ストレッチャーに乗せられたわたしのすぐ真横には、同じくストレッチャーに横たる一之瀬くんの姿がぼんやりと見えた。


「…ひゅ…うがっ…」


なんとか手を伸ばしてみるも、まるでわたしたちの間を裂くように、すぐにその手をだれかに握られた。


「心配するな、慈美。オレがそばについてるからっ」


それは、恐ろしいくらいにニヤリと微笑む万里くんだった。


こんな手…。

できることなら、今すぐにでも振りほどきたいくらいだ。


しかし、わたしにはそんな力も残されてはなく、頭にズキンと痛みが走った瞬間、そのまま意識を失ってしまったのだった。