友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

わたしが初めにそう言ったから、一之瀬くんは無理に繋いでくることはなかった。


だけど、あまりの人の多さで、その波に飲まれそうになるわたしを心配して、一之瀬くんは手を繋いでくれた。


「で…でも、やっぱりちょっと恥ずかしいよっ…」

「ごめん、向坂。今日だけはこうさせて」


一之瀬くんの温かい手。

恥ずかしいとは言いつつ、一之瀬くんの手のぬくもりが心地よくて、振り払うことなんてできない。


「それに、周り見てみろよ?」


一之瀬くんに促され、あたりに目をやると――。


通り過ぎるカップルたちは、みんな手を繋いだり、腕を絡めたりしていた。


「だから、なにも人目を気にすることねぇだろ?」

「確かに、そうだけど…」


頬が真っ赤になって、うつむくわたし。

そんなわたしの耳元に、一之瀬くんがそっと顔を寄せた。